*囚人のジレンマ [#ma43bb89]
-非ゼロ和二人ゲームの一つに「囚人のジレンマ」がある.
-各プレイヤーの取ることの出来る手は「協調」「裏切り」の2種類だけである.
-その利得表を次に示す.

|>||>|プレイヤーB|
|~|~|協調|裏切り|
|プレイヤーA|協調|(3,3)|(0,5)|
|~|裏切り|(5,0)|(1,1)|
-二人とも協調すれば共に3の利得を得る.
-二人とも裏切れば共に1の利得を得る.
-片方が協調し,片方が裏切った場合は裏切った方が5の利得を得,裏切られた方の利得は0である.
-この場合,どういう戦略を採用すれば良いのだろうか.
-プレイヤーAの立場になって考えてみる.
-プレイヤーBが協調すると仮定したなら,プレイヤーAは協調(利得3)するより,裏切り(利得5)の方が有利である.
-プレイヤーBが裏切ると仮定したなら,プレイヤーAは協調(利得0)するより,裏切り(利得1)の方が有利である.
-結局プレイヤーBが「協調」と「裏切り」のどちらの手を選ぶかにかかわらず,プレイヤーAは裏切った方が得である.
-そこでプレイヤーAは裏切るわけであるが,プレイヤーBも同じ作戦を考えるので裏切ってしまう.
-結局二人とも裏切って,二人とも裏切りの報酬1を獲得することになる.
-しかしお互い協調し合えば協調の報酬3を得ることが出来るのに,合理的に判断して行動すると1の利得しか得ることができない.
-これが囚人のジレンマだ.
*なぜ囚人なのか [#kd1a9ca2]
-これを何故囚人のジレンマと呼ぶかと言えば,次の様に脚色されたからだ.
-二人の悪者が共犯容疑で捕まった.
-二人とも別々に取り調べを受け,連絡を取り合う方法は全くない.
-二人とも取り調べに対して黙秘を続けている.
-そこへ検事がやってきて次のような取引を持ちかけてきた.
-「二人とも黙秘し続けるなら今の証拠から見て二人とも懲役2年の実刑だぞ.でもおまえが相棒の罪状を証言するなら無罪にしてやるぞ.その時ゃ相棒は懲役5年だな.」
-「この取引は相棒も知ってるんで?」
-「同じ取引を持ちかけてある.」
-「二人とも自白したらどうなるんで?」
-「その時ゃ二人とも懲役4年だあ.」

利得表を作ると次のようになる.
|>||>|悪者B|
|~|~|黙秘|自白|
|悪者A|黙秘|(-2,-2)|(-5,0)|
|~|自白|(0,-1)|(-4,-4)|
|~|自白|(0,-5)|(-4,-4)|
利得表全体に5を足すと前の利得表と同じで,ゲームとしては同一である.
*利得表の条件 [#p9f2662c]
-どういう利得表であれば囚人のジレンマとなり得るのだろうか.
-アクセルロッドの記号を取り入れると利得表は次の様になる.

|>||>|プレイヤーB|
|~|~|C|D|
|プレイヤーA|C|(R,R)|(S,T)|
|~|D|(T,S)|(P,P)|
-Cは協調(Cooperation)であり,Dは裏切り(Defection)である.
-Rは協調した報酬(Reward),Sはお人好し(Sucker),Tは裏切りへの誘惑(Temptation),Pは裏切り合いの懲罰(Punishment)である.
-裏切った方が有利になるため,利得表は次の条件を満たさなければならない.
--T > R
--P > S
-裏切り合いより,協調し合った方が得になるための条件は R > P である.
-まとめると次の条件になる.
--&color(,yellow){条件1: T > R > P > S};
-この条件で一応ジレンマが達成できる.
-また協調し合った場合,二人の利得の合計が最大になる条件 R + R > ( T + S ) つまり次式の条件もある.
--&color(,yellow){条件2: R > ( T + S ) / 2};
-この条件は後述するように繰り返しゲームの場合重要になってくる.

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